私は彼を待っていた。
「おそい！」
今日は食べにく約束なのに！いくら仕事だからって・・・！
＜早く帰って来て。＞
メールしてやった。
「・・・・・・。」
30分経っても返信は返って来なかった。
「・・・ひどい〜早くしてよ！！！いつまで仕事やってんのよ、・・・まさか・・・、浮気？」
だから応答しなかった？
「許せない！！！ひどい！！！」
妄想に入ってしまった。まだ私達付き合って二ヶ月もたってないのに！！！いきなり憎しみが溢れてきた。
「許せない。」
気持ちを晴らすために彼の部屋に上がり込んだ。女と帰って来た所を訴えてやる・・・。
だが、いくら待っても帰って来なかった。
「さすがにおかなすいた。夕飯食べよ。」
だけどよくよく考えてみれば今頃二人は仲良くレストランでディナー。
「いいもん！私は肉食べるからっ」
今日食べた肉は、いつもより、すごくすごく美味しかった。
「あ〜、かたずけなきゃ。」
テレビをつけた。
「あ、啓がテレビに出てる。」
彼氏がテレビに出ていた。
行方不明？
「あ、忘れてたぁ」
一気に思い出した。家の裏に投げ出された足と腕、地面に広がる内臓、そして、情けなく歪んだ顔。
私は、彼氏を刻んで食べた。
帰って来ないはずだ。
私、ど忘だなぁ憎すぎて食べちゃったよ。
その時、私のお腹を突き破って、ぐちゃぐちゃになった彼氏がでてきた。
痛いなぁ。「好き」ってコワイ。
死んだのに、まだ私といたい？
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