甘い夢を見た。
誰かの胸の中で寝たフリをしていて、その人に向かって言った彼の言葉を聞いた。
「戻るチャンスがあったらもう一度理恵に告白するから」
チャンスなんていつでもある。今すぐでもいぃよ。
夢の中の私は切ない気持ちと幸せな気持ちでいっぱいだった。
目が覚めると現実が戻った。
もう一度なんてあるはずないのに、変な期待して甘い夢まで見て…
ムリだと思ってしまったら、ホントにムリになってしまう。
だから願い叶うように、
「すぐに戻ってきてくれるよ」
って自分に言い聞かせてきたけど、日が経つほどに夢は夢でしかないのではないかと思ってしまう。
甘い夢と現実の差に悲しむのなら、甘い夢なんてみないほうが楽なのかもしれない。
だけど心のどこかに、夢を信じる自分がいる。
わかっていても、不意に脳裏に映し出されるのは、彼からもう一度好きと言われる光景。
今なら死ねる。
そこまで好きになったのは彼が初めてだったから、もうどうしたらいいかわからないよ。
やらなければならないことがたくさんあるのに、何も手につかなくなってしまったよ。
1ヶ月は早いね。
ずっと泣き続けた1ヶ月。
泣いても何も変わらなかった。
あなたに関わる全ての事、結局最初から最後まで、私は空回ってばっかだったよ。
甘い夢なんて見たくない。
もう楽しかったことも全部、消えちゃっていぃから…
ただ、私を少しでも愛してくれたあなたが幸せになってくれれば、私は何もいらないよ。
それを願うことしか、自分が乗り越えられる術を知らない。
もう少し大人になってからあなたに出会いたかった。