「『A』…私に…どうしてほしいの…?」
その言葉に『A』は不思議そうに瞳が閃き、狂気は僅かに揺らいだ。
まるで私が何を言っているのか分からなかったかのように。
「『A』?」
「あなた、気がついてないのね?」
暫くして『A』は呟くように囁いた。
「?……何の事?」
聞き返す私に『A』は寂しそうに微笑んで、静かに私を見つめた。
「ごめんね、こんな事になって……。」
「何で謝るの?謝るより、もっと違うことが…」
『A』はただ私を見つめていた。いや、私ではないのかもしれない。ふと、そう思った瞬間、目の眩むような感覚に私は包まれ、意識を失った。