すべてを失ったわけじゃないのなら、もう何も失わせないでください。
これ以上悲しい思いをさせないでください。
私が何をしたというのですか。
温かいものに触れさせて、引き離すのがご趣味なのですか。
一人に慣れたこの体をイジメるのはなぜですか。
なぜ愛をくださったのですか。
生きていけなくするためですか。
もう一人に戻れなくするためですか。
――なぜいつもいつも、最後の最後に、別れを用意するのです?
悲しみに心を押し潰された人間が、どうなるか知っていますか?
私は淋しいです。
私はとにかく淋しいのです。
みんなみんな大好きでした。
こんな私を受け止めてくれたみんなでした。愛と優しさをくれたみんなでした。
心地よい風が、いつも胸の奥で吹いているようでした。
嬉しかった。
幸せだった。
――どうして。
別れはつらいです。
痛いです。
カミサマ。
私の中におはしますカミサマ。
どうか。
私の心を助けてください。
また一人に戻っても、平気なように。
平然と生きられるようにしてください。
カミサマ。
胸の傷は塞がなくていいです。
この傷は幸せの残骸だから。
みんなのことを大好きであった分だけ、
私の中で痛むのです。