―――まさしく、あいつとの出会いは、シンデレラそのものだった
『あら、もう12時かな?』
まさにシンデレラの台詞だな、と思う。
『じゃあこれで、』
『あっ、あのっ!』
『?』
俺は引き止めた。
『明日また会えるかな?』
途端。
『ふふっ、プレイボーイのくせに生意気よ』彼女はそれっきり、さよならとだけいって、カフェテリアに消えた。
……プレイボーイの名にかけて、あいつは絶対に落とす!!
放課後
『沙絵さん、ちょっと時間ある?』
『え、ええ…』
俺は人のいなさそうな所へ誘った。
『単刀直入に言う』
俺と…………
『付き合ってくれ』
……………………………………………くすっ
長い沈黙の後、笑い声が1つ。
『――ごめんなさいね何だか、おかしくて』
『――…えーあの、沙絵さん?』
『何かしら?』
『返事は?』
………しばらく沈黙が続いた。
俺は待った。
いつまでも。
『…………ない…』
『え?』
俺は次の返事に期待した。
しかし
『馬鹿じゃないですか?しつこいですよ』
と、俺の想いは玉砕した。
――――――ん?
“想い”だと?
いや、俺は根っからのプレイボーイだ。
女なんて、ただの玩具だ。
―――なのに、なんだこの想いは、とてつもなく重い感じは!!
――――――ふっ
(あれが、最初で最後の恋だったのだろう)
とてつもない想い。
それっきり、あの想いが込みあげる事はなかった。