今日は入学式、
しかし、どんなに真面目な生徒でも、校長の長ったらしい話をしっかりと聞こうとする生徒は少ないだろう、
…退屈だ、俺はあくびをしながら校長の話が終わるのを待った。
10分後
ようやく話が終わって、クラス分けされたプリントが配られた。
約二百人の生徒が一斉に教室を目指して歩きだしたため、大変混雑した。
俺は狭い廊下を人に流されながらも教室を探した。
「俺のクラス、えっと…一年二組は……」
あった、あそこか…
ようやく人込みから解放された俺は、やや猫背気味に番号が書いてある席に座った。
それから少しして、担任の先生と思われる教師が入ってきた。
「こんにちは、初めまして、私はこのクラスを担当する…」
そう言うと黒板に自分の名前を書きはじめた。
…何で教師って自分の名前を漢字で書きたがるのだろうか?
口で漢字とか名前を言えばいいのに…
「田中真奈美とといいます」
田中先生は笑顔で言った。
「それじゃあ…生徒の皆、出席番号から順番に名前と自己紹介してくださいね。では、まず1番の…」
まじかよ、高校生にもなってまだそんなことするのかよ…面倒だなぁ…
「はい、次は26番の林田君!」
………俺!?
早過ぎるだろ!と思いつつ、立ち上がった。
「えっと…、林田陸(はやしだりく)です、…よろしくお願いします」
「はい、次は…」
は〜…田中先生読むの早過ぎるんだよ…
おっ!今日は桜が満開だな…
この学校は桜坂と言う名前だけあって、学校中桜の木だらけだ…。
凄い量の桜の花びら…。
「では、ラスト、40番の…えっと……」
おっ!
先生が読めない苗字の
生徒がいるのか…
どんな奴だろ…
「あの…」
しびれをきらしたのか、40番の生徒が立ち上がり
にっこりと微笑みながら、名前を言った。
「私は夜桜沙羅(よるざくら、さら)です。
〜なの、が口癖です。
よろしくなの」
クラスの男子が息を飲む、夜桜はとてつもない美少女だった。
だが、俺は興味ない、好みのタイプが違ったからだ。夜桜はロリ顔だ。
始めはその程度の感想だった。
しかし、夜桜の印象は次の日、がらりと変わるのだった……。