大学四年の夏。
就活が忙しい中、うざい程俺を付き纏う女がいた。
名前はなぎさ。
彼女と出会ったのは三ヶ月前。
バイト帰りにナンパから彼女を助けてしまったのが原因で、
『あなたは私の王子様!』
とか言って、いつも付き纏いやがって!
でも正直今は慣れて来て、当たり前になっていた。
そんな時、最後の就職先から手紙が来た。
結果は駄目…。
(ちくしょう……)
『また頑張ればいいじゃん??』
「うるせぇよ!お前がいるから毎日大変なんだよ!!正直あの時お前を助けたの後悔してんの!マジ消えろお前!!」
彼女は走り去っていった。
(少し言い過ぎたかな?まいっか)
その日の夜の事。
携帯に見知らぬ番号から電話があった。
「もしもし?」
「あ!王子様ですか?なぎさの母です!」
「は?」
それから40分。
俺は病院へと駆け付けていた。なぎさは薬を飲み、自殺を図ったという。
(なぁ……
お前が毎日言ってた白雪姫は、毒りんご食うほどバカだけど
毒だと知っててりんご食ったお前はもっとバカだぜ
でもそのりんごを食わしたのは王子の俺だよな?
ごめんな、
…待ってろよ
今俺がキスしてやるから…)
〜手術室〜
医者「すみません!困ります!今手術中なんで中には入れません!!」
王子「うるせぇ!俺がキスしてやらねぇと!!」
医者「キスで治れば医者は入りません!!」
王子「うるせぇ!うるせぇ!キスであいつは治んだよ!あいつの事は俺が1番わかってんだよ!」
医者「じゃわかりましたぁー!…
私がしますー!」
王子「…お……
お願いしますー!!」
王子(かつ医者)「では手術室に戻りまぁすー!」
一般人(前王子)「はぁい!失礼しまぁすー!」
…
完。