それから、私達は星が出るまで色んな事を話した。
晃司:「寒くない?」
千恵美:「ちょっと寒くなってきたかもね。」
晃司:「ほら。これ着てな。」
そう言って、晃司は自分の着ていたパーカーを私の背中にかけた。晃司の温もりが背中から伝わる。
千恵美:「今度は晃司が寒くなったね。」
晃司:「うん…。さみぃ〜!!」
晃司はわざと大袈裟に体を擦ってみせた。
千恵美:「返すしぃ〜!!」
晃司:「いいよ。でもさ…。何でもないっ。」
千恵美:「何?気になる!!何〜?」
晃司:「何でもないって」
千恵美:「言って〜!何?何?」
晃司:「寒いからさ、もう少し側に来いよ。 …何て言ってみたりぃ?」
照れ笑いして、晃司は空を見た。照れ隠しなのか、変な鼻歌を唄っている。
私は胸の鼓動が高まった。
私は晃司に恋をした。
きっとそうだと思った。
千恵美:「ねぇ、側に行ってもいい?」
晃司:「おうっ!」
私が照れながら側に寄って、晃司が照れながら私の肩を抱いた。
冷えた体が晃司に包まれて、お互いの熱で私達は溶けそうな程に意識し合った。
言葉を交わさなくても、気持ちは多分一緒だ。
私達は、それからキスをした。
嬉しくて、幸せで、
嫌な事も傷ついた心も
全てが消えた。
強く抱き合って
お互いを確かめた。
晃司:「本当に俺でいいの?」
千恵美:「うん。晃司がいい。」
晃司:「でも俺、イビキすごいし、歯ぎしりもするよ?」
千恵美:「うん。いいよ。」
晃司:「あと俺、意外とワガママだよ?」
千恵美:「うん。いいよ。私晃司以上にワガママだから。」
晃司:「それは困るなぁ〜笑」
千恵美:「ヒドーイ!笑」
私と晃司はこうして、緑の丘から始まった。