ジリリリリ〜
携帯電話からかなりの音量が流れてくる。
俺は手探りで携帯を掴み適当にボタンを押す、すると今までの音が嘘のようになくなり朝は再び静けさをとりもどす。
そして俺は―またしても夢の中に旅だっていった。
3分後……またしてもいまいましい大音量が携帯から流れてくる、今度は仕方なくのっそりと起き上がり携帯をサイレントモードにする、それから制服に着替え下の部屋に降りていった。
「あら拓也今日は早いわねぇ」
そういいながら相川杏子こと母さんが食卓にご飯を並べ始めた。
「なんとなく目が覚めてね」
といったあたりさわりのない言葉を言い俺は飯を食い始めた。
食事をしながらテレビを見ていると
「7時50分、7時50分」 といったどこか抜けたような声がテレビから流れ出してくる。
そろそろいかなきゃ不味いなと思い俺はこの家を後にした。