僕たちは田舎の村にきた。いっぱい温泉がある。まるで鼻が効かない。
「ふぅー、長かった。宿探さなきゃ。」
(鼻がおかしくなりそうだよ。)
亜梨沙はバス停のベンチに腰掛け、言った。
「ミイ、待ってて。宿探してくるから。遊んでていいよ。」
遊んでてって、なんにもないよ?だが、亜梨沙はいってしまった。
(はぁ・・・また一人ぼっち?)
僕は風に揺れる背の低い草をつついていた。
(つまんない・・・ん?)
雑木林がある。
(・・・すぐは帰って来ないよね?)
軽い気持ちで僕は林に向かった。
しばらく行くと、猫が数匹いた。白、黒、三毛猫。あまり近寄りたくなかったケド「おいで。」と誘われたので、行ってみた。
(やぁ。)
(赤い三毛猫?変わってるね。綺麗。)
生まれて初めて褒められた。さすが田舎の猫は優しい。
(みんな、もうすぐおばちゃんが餌くれる時間だよ。行こ。)
(さんせー!おまえもいこうぜ!)
(うん・・・)
本当優しい。いっそのことここでずっと暮らしたかった。
あ、でも亜梨沙・・・僕は足を止めた。
(どうした?)
白猫が振り返る。
(僕・・・)
僕は断ろうとした。その時、
ドンッッ!
重い銃声と同時に血がとんだ。そして、一瞬身体が宙に浮いた、体が地面にたたき付けられた。痛かった。