北見は口を開く。
「貴方の他に、現場の近くで殺された人がいるんですよ」
「!」
驚いた。
「田島美由という方です。ご存知ありませんかね?」
「いえ、解りません」
「そうですか」
そんな人の名前聞いた事もなかった。
それにしても、俺は何故殺されかけたのか、謎だ。
田島美由?
タジマミユ?
少しずつ、だが確実に俺の失われた記憶が蘇る。
失われた記憶?
俺は何故、記憶が無くなってるんだ?
その時にはもう、俺がオタクだという記憶が俺の記憶の中から無くなっていたのだった。