「ん・・・?」
辺りが薄暗い。誰もいない。夜明け前・・・
いつの間に外に出たんだろ。家入んなきゃ・・・。
「!?」
手を地面につこうともつけない。
「なんで・・・!?」
木に縛られていた。
「くそ・・・誰が!!」
「馬鹿だね。」
目の前にユラが現れた。しかし、いまは酷く心が荒れていた。
「太陽浴びて死ねよ。」
「え・・・?」
「とぼけるなよ、吸血鬼!!!」
吸血鬼?なんのこと?
「それとも心臓に杭を刺してほしいのか?」
ひどくゆっくりと、木の杭を突き付ける。
「やめて・・・、嫌だ・・・!私は吸血鬼なんかじゃない・・・」
じりじりと迫る杭。それに対して笑いかけるユラ。
おかしい。あんなのユラじゃない・・・サキは急に腹がたってきた。
「やめろ!!!私は吸血鬼じゃない!!血も吸わないしただの人間だ!!」
「嘘だ、僕の一族を殺したのもお前だ!!死んで罪を償うのが当たり前だ!!」
興奮したのか、ユラは杭を胸にうとうとした。
「やめろと・・・、言ってるだろう!!!」
サキは思いきり足を振り上げ、ユラの腹を蹴った。それと同時に太陽が昇った。