セイルはそう言って、一つ大きく息を吐いた。
「あの…宜しいですか」
後ろで成り行きを見守っていた女性騎士は、遠慮がちに口を開いた。
「何でしょうか?」
「昨日着ていらした服は、洗って乾かしておきましたので」
女性騎士は持っていた紙袋をサリアに渡した。
「服はその中に全て入っています。あと、皆さんの剣はそちらの方にございます」
セイルは女性の指差した方を見ると、部屋の隅に三人の剣が置いてあるのを確認した。
「食事の方なんですが…なにぶん軍事砦なもので、簡単なものしか用意出来ないんです。また、調査チーム結成でこちらも忙しくなってしまうので、対応が出来ないことが出てくるかと…」
女性は申し訳なさそうに、言った。
「分かりました。一応行く当てはあるので、今日中にもそちらに向かう事にします。助けて頂いてありがとうございました」
セイルは感謝して、深々と頭を下げた。
「いえ、とんでもないです。市民の為に働くのが、私達軍人の使命ですから」
女性はにこりと微笑んで、頭を下げると、
「お食事を持ってきます」と言って、部屋を出て行った。
「三人共、これに着替えなさい」
サリアは紙袋の中からそれぞれの服を取り出して、三人に渡した。