あーあ…何で入学して
次の日には実力テスト
なんだよ……。
疲れるなぁ……。
あれだけ校長の
長ったらしい話を聞いてやったのに次の日はテストかよ〜…。
「ねぇ、林田君」
「…ん〜、
どちらさん?」
「私、夜桜だけど…」
夜桜……ああ、
珍しい苗字だから
こんな俺でも覚えてる。
俺に何か用事でもあるのか?
「何か用事?」
「うん、あのさ林田君って、頭いいでしょ?」
「別に平均的だよ。」
「嘘なの。林田君ってすっごく頭いいってお姉さん言ってたの」
「え、姉ちゃんを知ってるのか?」
夜桜は得意げに笑うと俺に教えてくれた。
「私、これでも中学は剣道をしてたの、それで、林田君のお姉さんも剣道をしてるでしょ?」
俺は小さく頷いた。
「それで、試合をした時に知り合って、一つ上の林田先輩とすっごく仲良くなって、林田君もすっごく剣道ができて、それから頭いいってすっごく褒めてたの」
姉ちゃんめ……そんな事をいつの間に……
「それより、そんな事じゃないだろ?用事って……」
話をずらしたくて言ったことだが、夜桜は頷いて、挑戦的な目をした。そして…
「今日のテスト!どっちが上か勝負しましょ!」
…………コイツは、
夜桜は、姉に剣道で負けたから、弟の俺に学力で勝負しようとしてたのは、家に帰ってから姉に聞いて分かった事だった……。