3月23日午後7時41分
柊宅 フズキの部屋
「聖治くん?!」
「俺が見えるのか?!」
コクリ
もう何が何だか
俺には分からない
何故だかフズキの顔が赤い。
「・・・聖治くん何だよね?」
下を向きながら言う
「・・・逢いたかったよ」
「でも・・・死んだん・・・じゃ」
そんなの関係無い
俺は勢いよくフズキに抱
「来ないで!」
「え?」
「ご・・・ごめんね。」
「・・・・そうだよな。
驚かしてごめん。
でも俺死んでからずっとお前を抱きしめたくて」
「そうじゃないの・・・
そうじゃなくて、確かに
驚いたけど、そうじゃなくて・・・その・・・
あの・・・。」
(なんだ?)
フズキは何故かもじもじしている。
「・・・・・・・・・・
聖治君・・・はだ・・か
」
(はぃ?)
恐る恐る自分の身体を見てみる。
(・・・・・・・・・)
ジワ〜〜〜〜〜(顔が赤くなる音)
「ウア〜〜〜〜!!!」
「聖治君!これ!!!」
フズキは近くにあった布団を俺に向かって投げた
「なんか悪いな急に・・・」
「ううん、大丈夫だよ」
「あのさ」「あの」
「あ、ごめん先良いよ」
「うん、あの聖治君さ・・・トラックに・・・
その」
「引かれたねぇ」
ものの見事に
「それであの・・・死ん・・じゃったんじゃ・・・」
「うん」
「じゃあなんで・・・」
(まぁ、そうなるのが自然てもんだ)
「あのな、落ち着いて聞いてくれ・・・・
俺はフズキに引かれた事
死んだ事に気が付かなかった事、あの天使の事、を話した
そしてずっと近くに居た事も
同日午後9時01分
フズキの部屋
「・・・そぅ、だったんだ。
何だか信じられないなぁ〜〜」
笑顔になった。
(そう、その笑顔。
その笑顔が見たかった。
ずっとずっと見たかった
俺の大好きな笑顔)