「なぁ、お前と遊んでやってもいいぜ」小学生の僕には、当時友達が一人もいなかった。祖父の住んでる田舎町に遊びに行った時に出会った、麦藁帽子の少年。 「いらないよ、別に」 そう言うと少年は、困った顔を見せるわけでもなく、僕の後をついてくる。 僕の一人遊びに勝手に参加して、気がつけば少年の方が手を引っ張っている。 彼は名前を名乗らなかった。僕の名前も聞いては来なかった。 夏の日の数日間、僕は少年と一緒に過ごした。 都会に帰ってから、僕は友達ができるようになった。 そして・・ 十年後・・ 偶然出会った彼と僕。 そして、僕の彼への恋心が始まる。