「さ、父さんは外で着替えてきてね」
「何ぃっ!」
「はいはい、出てなさい」サリアに背中を押され、セイルはドアの外に放り出された。
「…男親の悲哀か…」
静まり返った廊下でぽつりと呟いて、セイルは肩を落としながら、着替えを始めた。
あらかた着替え終わった時、廊下の向こうから話し声が聞こえてきた。
「ロザラム、君には調査チームのリーダーになってもらおうと思っているんだが…」
ロザラム!?―\r
その名前に、セイルは目を見開いて驚いた。
「…しかし、私は…」
「君はソードメーカーとしての力は誰よりも秀でている。また、ここでの信頼も厚い。引き受けてはくれないかね?」
「…分かりました。引き受けましょう」
…ロザラム、あの男がここに!?―\r
セイルはぎゅっと唇を噛み、そこに立っていられなくなって、部屋に入って行った。
「きゃあああ!」
「入って来るなあああ!」「おわぷっ!」
娘達からの攻撃(枕投げ)に遭い、セイルは倒れこんで、閉め出されてしまった。
「う…ん」
ロイは何か暖かいものに包まれている感触を感じながら、身じろぎした。
朝…か…?―\r
ロイは薄目を開けて、溢れてくる光を感じた。