「気付いたかの?」
目の前では陰気な顔をした老人が、ツルツルな頭を朝日に照らしながら立っていた。
「…」
ロイは何と返事をしたらよいのか分からずに、暫く目の前の老人を見つめていた。
「…ワシに惚れたか?」
「違います!」
ロイはがばっと起き上がって、思わず叫んでしまった。
その時、後ろに何かいるのを感じて、慌てて振り返ると、そこにはルイスがすやすやと眠っていた。
「…」
「男同士で添い寝する様子は、中々芸術的じゃったぞ」
老人はにやにやと笑いながら、呆然とするロイに言った。
「う…ん、何だよ父ちゃん、うるさいなあ…」
その声に目を覚ましたルイスは、目を擦りながらむっくりと起き上がった。
「…!」
「…」
その瞬間、ロイとルイスの目が合い、二人は暫く見つめ合っていたが、突然、
「うわああ!ロイ、な、何俺の布団に入って来てんだ!?」
と、叫んで、ルイスは後ろに勢い良く飛び跳ねた。
「ま、まさか、お前…」
「違う!お前の想像してるような事はして無いぞ!僕は普通の男だ!」
「なら何でお前と俺が同じ布団に入ってるんだよ!?」
「それはあの老人に聞いてくれよ!」
ロイはそう叫んで、老人の方を指差した。