俺は昔から体小さく、よくいじめられていた。
俺が好きだったアヤノ。彼女は俺と逆で女の子の中で一番背が高い。彼女の理想の男の子は自分より大きい人に限るっていうけれど、俺は彼女が、大好きでたまらない。
俺は告白する事を決めた。
しかし俺の覚悟と同じ時期に、彼女は好きな人ができたという。
辛くてしょうがなかった。
すごく背の高い子らしい。俺はなにもできなかった。
しかし、
彼女は告白を失敗したらしい。相手には彼女がいたらしい。
放課後一人で座り込んで泣いているアヤノを見た。
俺は彼女の隣に座った。
『明日、晴れるといいね。』
アヤノは笑った。
『何それ?バカみたい・・・』
俺は体が小さいからさぁ
頭撫でてやる事もできねぇし、胸貸す事もできねぇし、ギュッて抱きしめてやる事もできないじゃん?
でも俺さぁ、ずっとお前のそばにいるよ。
お前が辛くて下を向くときは、いつでも俺はそばにいるつもりだよ?
もう好きとか言えなくなるかもしれんけど、それでも一緒にいたいから・・・・・。
俺、これからチビを誇りに思うからね。
その帰り道
こづちが落ちていた。
僕は迷わず三回振った。
…
『プライドなんて見栄でしかない。だけど・・・・その見栄を一生張って生きて行く奴こそ、笑って死ねる。』
完