大好き2

黄粉  2008-05-17投稿
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休み時間。

「田口、知ってる?この記事。」

活発なクラスメートの渡邊七海が話し掛けてきた。

「何それ?」

田口裕也は友達と話していたのをやめ、振り返る。

「あっ、知ってる〜コレマジやばい記事じゃん。」

その記事の内容はこのようなものだった。

<○月○日、19歳学生、女性の白鳥里菜さんが、恋人・武井啓さんの自宅で腹を突き破られて、死亡しているところを友人が発見。自宅の裏にも武井啓さんのバラバラ死体が放置されていた・・・・>

「こわいよね〜。」

「てか誰がこの記事くれたの?渡邊の?」

途中で仲河隼人が会話に突っ込む。

「あ、あたしの・・・。」

弱々しい声を出したのは、斉藤愛菜。

「へ〜以外愛菜ちゃんこう言うの興味あんの?」

「そんな訳ないじゃん。あんたら悪趣味とはちがうのよ。」

渡邊が厳しい口調で言う。

「よかったらつかう?今日の社会、新聞作りだったよね。あげるよ。」

静かに記事をさしだす。

「マジ!?ありがと!めっちゃ困ってたんだよねってか愛菜ちゃん大丈夫?」

「私は・・・大丈夫だから!いいよ、気にしないで。」

裕也は跳びはねて隼人のところに走って行った。

「愛菜?本当にいいの?」

心配そうに里菜が聞く。

「いいの。田口がよければ。」

その時、次の授業のチャイムが鳴った。



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