一人がいなくても、なんとかなっちゃうこの空間が嫌で。
一人の価値を忘れさせる、この空間が嫌で。
世界は廻る。明日は来る。例え一人がいなくなっても。
『その場しのぎ』で成り立つ世界。
私がいなくても誰かが私の代わりになる。
誰かがいなくても私が誰かの代わりになる。
安心だよね。これで誰も悲しむことはない。
だけど私は嫌なんだ。
私は誰かの代わりじゃない。誰かも私の代わりじゃない。
その人一人しかいないから。
だけど世界はうまくできてて。みんなは私が死んでも悲しくても生きていけるんだよ。
悲しいね。
だけど私だって、みんなが死んでもいつまでも泣いてるわけじゃない。
どんな時も、『ナントカ』なる。
一人の価値なんてそんなもの。時々ひどく思い知って。
叫びたくなる。
私を叫びたい。私の存在を叫びたい。
一人の価値を乗り越えたい。
私が証明したい。
一人の価値の大きさを。
――あなたの価値の大きさを。
いつか声を張り上げて唄うから。
喉が裂けても唄い続けるから。
だから、その時まで。
自分の価値も、誰かの価値も忘れずに、生きてゆきたい……。