『あたし、直ぐに父親の転勤で帯広に引っ越したじゃん。』
『うん。じゃあエリカちゃんは、帯広の実家から、就職の為に札幌に出て来たんでしょ?!』
『うん。専門学校も札幌の学校を選んだから、札幌へ来て、丸五年経つのかな。』
五年間も札幌にいたのか―\r
僕も毎日、小樽から札幌の大学へ通い、
現在も札幌の会社へ電車で通勤している―\r
五年間―\r
同じ街で、エリカちゃんと同じ空気を吸っていたなんて―\r
そんな事は、君にとっては全然関係ない事なのだろうけど―\r
『エリカちゃん。僕とこうして二人だけで食事をしてたら、彼に悪いよ。』
僕は一応、気を遣ってみる。
本当は、そんな事心にも思っていないくせに。
僕は相当な偽善者だ。
『何言ってんの未來!!夜は、まだまだこれからじゃん!!
今夜は十七年ぶりの再会なんだから、パァ―ッとやりましょ!!パァ―ッと!!』
その物言いが、なんだかどこかオヤジ臭くて―\r
それは、あの“ちんちくりんのハゲオヤジ”の影響による物なのかと思ったら、
僕はソイツに嫉妬してしまった―――