天国からしたい事(1)

レオン  2008-05-19投稿
閲覧数[440] 良い投票[0] 悪い投票[0]

嫌な事は後回しにしてた。
「明日やればいい」
それが私の口癖。

まだまだ人生は長いからいつでもやれる。
何て呑気に過ごしてた。




けど…




人生、いつ終ってしまうか分らないもの。

私だって、例外じゃない。



自転車で通勤中だった。

左折してきたトラックに巻込まれて、私の人生は呆気なく終った。


気が付くと、真っ白な服を来て頭にわっかを乗せた、絵に描いた様な天使?が一人。

「ここは……何処?」

「天国。」

「はぁ?まさかぁ〜笑」

天使は頭を横に振って、下を指差す。


指差された方を見ると、真っ白な地面にポッカリと直径10cm程の穴が開いている。

私は恐る恐る、穴を覗く。

穴は想像以上に深く、遥か彼方に何かが見えるのだが、肉眼では見えない。


「あのぉ〜、遠過ぎて何も見えないんですけど…。」

「貴方視力はいくつ?」

「えっ?0.7」

天使は服のポケットから携帯を取り出し、何処かに電話し始めた。

「え?そう。うん…。0.7。至急お願いね。」

私は思った。
天使も携帯使うんだ…って。
暫くして、赤い鬼みたいなのが銀縁眼鏡を持って来た。

「何やってんのよ!!遅いじゃない!!!!」

「スンマセン…。他の所で0.7使ってたもんで。」

鬼みたいな奴は眼鏡を渡すと、ガックシ肩を落して帰って行った。

「さぁ、これかけて覗いて。」

私は天使から眼鏡を受け取り、天使に言った。

「何か、さっきの人凄い落ち込んでましたね〜笑」

「いいから、早く覗きなさいよ!!今日はまだ後20も回さなきゃいけないんだから。私、忙しいのよ!!!」

「えっ?俺の他にもいるんですか???」

「そうよ。今日は忙しいの。肩凝っちゃって…っていいから、早くして!!!」

私は言われた通り、眼鏡をかけ穴を覗いた。

!!!!!!!!!!

「俺だ!!!俺が寝てる!!!」

ベットの上で身動きしない私。その周りで親父やお袋や姉貴が泣いている。

「あんたも鈍いわね。寝てんじゃないのよ。死んだのよ。」

天使がイライラしながら言った。

「俺、本気で死んだの?」

「だから、そうだって!!!」

また天使が苛ついた。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 レオン 」さんの小説

もっと見る

ファンタジーの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ