私は、貴方に逢えてよかった。
 貴方は私に沢山の事を教えてくれた。
 でも一つだけ
 貴方の名前、教えてもらっていないけど。
 そんなの、関係ないよね?
 貴方はサラサエル。
 私は黒き姫。
 それで十分よ。
 貴方は私だけのサラサエル―――堕天使であり神の使途。
 私は貴方だけの黒き姫。
 ねぇ、そうでしょう?
 ………そろそろ貴方に逢いに行くわ。
 すぐに着くから、少しだけ待っていて。
「奏焚(カナタ)?奏焚はいるかしら?」
「―――お呼びでございますか?お嬢様」
「教会に行きましょう?彼に逢いに」
「かしこまりました―――愛咲お嬢様」
―――サラサエル。
私も、いつでも
貴方の傍にいるよ。
ずっとずっと、傍にいるから―――