奈央と出会えたから。<149>

麻呂  2008-05-20投稿
閲覧数[568] 良い投票[0] 悪い投票[0]

* * * * * *

『奈央。じゃあ母さん行ってくるわね。』



母は、これからスナックへ出勤する―\r



『うん。行ってらっしゃい。』



あたしは笑顔で母を送り出す―\r



此処までは、あたしと母のいつもの風景―\r



そして―\r



あたしは、これから母に内緒の新〇ドリフト初観戦。



聖人からのメールには、あたしに《いつもの公園まで来い。》と書いてあった。


そこに、聖人とサトル君、車を運転する聖人の先輩達が待っている。



PM10:00――



中学生のあたしには、こんな夜遅くに出掛ける事など、今まで一度も無かった―\r


あたしは、クローゼットの中から取り出した、お気に入りのジャケットを羽織り、



もう、かなり肌寒く感じられる、秋の夜の静寂の中を歩き出した。



胸が高鳴る―\r



母に内緒のスリル―\r


聖人の先輩達に会う緊張―\r



色んな気持ちが複雑にミックスされ、



それはまるで小さい頃に母が読んでくれた、



かぼちゃの馬車を用意された瞬間の、



シンデレラの心境だった――



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 麻呂 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ