私だって・・・・怖かった。素直になると、皆に嫌われる気がして・・・・。でも、嘘ついても嫌われた。だから、人ってね。自分の思うがままに動くのを見ているのが一番楽しいの。だから、私は逃げてきた。
―――――――――でも、もう逃げてる時間はない。
大切な場所を守るため
自分の居場所を守るため
自分の事を分かってもらうため
それなら、もう進むしかない!だから!!お願い!
「皆さん!聞いて下さい!!」
私は叫んだ。声の出る限り、この商店街全体に聞こえる限り・・・・・。
「私は、千野 羽音と言います!皆さんはご存じないところだと思いますが、喫茶10というとこ
ろで、働いています!
実は、そこはいじめにあった子や、家庭の事情で家に入れない子たちが集まっている私達にとっ
ての楽園です。けれど、どこかの家族が子供を無理矢理連れて行ったと訴えた末、その場所が潰
れてしまいそうなのです!」
自分でも、信じられなかった。こんなに素直な気持ちを人にぶつけた。でもまだ。まだ、言いたい事はたくさんある!だったら、この際。全部言ってしまおう!