感傷 。

ム 。  2008-05-20投稿
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『今日の私はひどく感傷的だ。』
そんな変なコトがあるのだろうか。
悲しいトキは嫌なコトがあったトキ、
嬉しいトキは良いコトがあったトキ、
ではナイのか。
そう思っていた。
でも、年を重ねると理解できる感情もふえる。
そんなワケで
『今日の私はひどく感傷的』な状況だ。
私が読んだ小説でそのフレーズを書き残していた作家は『そのような日』が好きだと残していた。
どんなもの好きなのだ。
過去、現在、未来、全てにおいて良い記憶や予想は思いつけない。
明日になってもこのままかと思うとプールの底にでも沈んでしまったような気分になる。
「はぁ…。」
と溜め息をついた。
その時
「サー――。」

窓の外から響く微かな音に気づいた。
キッチンの小窓の小さな花(『忘れな草』だったろうか。)の向こうに目を向ける。
灰色がかった雲から小つぶの軽そうな雨が降っていた。
その景色は今の自分の気持ちにぴったりだった。
『ひどく感傷的な今日』も悪くないかもしれない。

よく見ると灰色の雲の向こう側は晴れていた。

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