「リリー様にいかがわしい事はしておらぬであろうな？」
「してません！」
ルイスとロイはほぼ同時に否定した。
「だいたいにして、リリーにそんな事したら命が幾つあっても足りませんよ」
「そうなのか？」
ルイスの言葉に、ロイは不思議そうに尋ねた。
「ああ。以前、あいつの働いてる店に家族で食事に行った時、あいつ、セクハラした客を折檻してたんだぜ。しかも木刀で」
「…うわあ…」
「ちょっ、ルイス、ストップ！ストップ！」
リリーは慌ててルイスの言葉を止めに入った。
「り、リリー様…」
ロバートは悲しげな表情で、リリーを見つめた。
「だ、だってその客、私のお尻を三回も触ったのよ！それ位されて当然よ！」
「ならよし！」
ロバートはぐっと親指を立てて、了承した。
「いいのかよ！」
ルイスとロイは、今回もほぼ同時につっこんでいた。
それからニ人はそれぞれ自己紹介をした後、ロバートから出された食事を済ませ、着替えを始めた。
「ロイ君、これは君の持ち物じゃな？」
ロバートはロイに声を掛け、持っていた剣を手渡した。
「はい。ありがとうございます」
「君は…ソードメーカーなのかね？」
ロバートは怪訝そうな顔をして、ロイを見つめた。
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