大好き6〜皆大好き〜

黄粉  2008-05-20投稿
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愛菜は、苦しみに耐え切れなくなり逃げ出した。

「まてよ!斉藤!」

後からは女子達が罵声を吐き出しながら追いかけてくる。

「うわあぁ!」

愛菜は叫びながら走った。

誰も助けてくれないと分かっても、叫び続けた。

「うわっ!」

誰かにぶつかった。

「斉藤?」

田口だった。大好きだった田口、助けてもらいたかった。

「あ・・・田口。」

しかし、無視された。

分かってるよ・・・私にはもう味方なんていない・・・。

だから自分でなんとかする・・・

愛菜は近くの理科室に隠れた。

「斉藤どこだよ。」

「出てこねぇとぶっ殺すぞ斉藤!!!」

女子の声が聞こえた。怖い・・・愛菜は恐ろしさに震えた。

カタン

しまった!足元にあったビーカーが転がった。

「見ぃ〜つけた」

嬉しそうに女子達が歩み寄ってくる足音が聞こえる。

「逃げてんじゃねぇよ!」

もうだめだ。愛菜は立ち上がって逃げようとした。

「こらぁっ逃げんじゃねぇ!」

一人の女子が殴ろうと、拳をふりあげた。しかし、間もなく彼女はじずかになった。

「ひっ!」

女子達が後ずさる。

なに・・・・?

愛菜は、手に持っていたビーカーを見た。血だらけだった。

あぁ・・・、私、人をコレで殴ったのか・・・

それから愛菜は、他の逃げようとする女子に、今までの憎しみを、女子達の頭に打ち付けた。

ガコッ

ガコッ

バキィッ!

頭蓋骨の割れる音がする。







再び理科室に、沈黙が訪れた。







愛菜は血だらけだった。


私、どうしよう・・・









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