愛菜は、苦しみに耐え切れなくなり逃げ出した。
「まてよ!斉藤!」
後からは女子達が罵声を吐き出しながら追いかけてくる。
「うわあぁ!」
愛菜は叫びながら走った。
誰も助けてくれないと分かっても、叫び続けた。
「うわっ!」
誰かにぶつかった。
「斉藤?」
田口だった。大好きだった田口、助けてもらいたかった。
「あ・・・田口。」
しかし、無視された。
分かってるよ・・・私にはもう味方なんていない・・・。
だから自分でなんとかする・・・
愛菜は近くの理科室に隠れた。
「斉藤どこだよ。」
「出てこねぇとぶっ殺すぞ斉藤!!!」
女子の声が聞こえた。怖い・・・愛菜は恐ろしさに震えた。
カタン
しまった!足元にあったビーカーが転がった。
「見ぃ〜つけた」
嬉しそうに女子達が歩み寄ってくる足音が聞こえる。
「逃げてんじゃねぇよ!」
もうだめだ。愛菜は立ち上がって逃げようとした。
「こらぁっ逃げんじゃねぇ!」
一人の女子が殴ろうと、拳をふりあげた。しかし、間もなく彼女はじずかになった。
「ひっ!」
女子達が後ずさる。
なに・・・・?
愛菜は、手に持っていたビーカーを見た。血だらけだった。
あぁ・・・、私、人をコレで殴ったのか・・・
それから愛菜は、他の逃げようとする女子に、今までの憎しみを、女子達の頭に打ち付けた。
ガコッ
ガコッ
バキィッ!
頭蓋骨の割れる音がする。
再び理科室に、沈黙が訪れた。
愛菜は血だらけだった。
私、どうしよう・・・