俺だけのシンデレラ

サクラ  2006-05-11投稿
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俺達は、無事に籍を入れ、安定した生活を送った。
そして、その頃俺は、子会社で働いた。
二人の家を建てるためだけに。
………なのに。


――――ピリリリリッ沙絵からだ!
「おう」
『あ、あなた?』
「なんだ?」
『ふふっ、』
俺にはわかった。
沙絵は、何かを隠している。
それも、とびきりの。『今どこにいると思う?』
「………コンビニ?」『ちゃう!病院よ!』「?」
病院………び、病院?「沙絵!お前どこか怪我でもしたのか?だとしたら俺も早く、」
『違う!』
外れたのか、沙絵は怒ったようにいった。
『今あなたの会社に向かっているから、後でお知らせします!』
「そ、か」
『迎えに来ちゃダメですよ!』
はいはいと返事を交し、携帯を切った。

――いったい、誰が想像出来るだろう。
まさか、こんなことになるなんて………

――――ピリリリッ!沙絵からだ!
「はい、もしも」
『こ、公平さんっ!』相手は沙絵の母だった『大変ですよ!沙絵が……沙絵がっ』
「さ、沙絵が?」
よく分からないが、大変だという事。
よくそれがわかった。『とにかく、すぐに来て!』
―――――――沙絵!俺は教えられた病院へ向かった。

市立総合病院

「……こんな所に沙絵が?」
ここの病院は主に、重傷患者が運ばれる市立総合病院。
しかも最近医療ミスが発覚し、まさに“天国に近い病院”という異名がついている。

「――お義母さん?」「公平さん………」
「さ、え、沙絵は」
「――っ」
お義母さんも泣いてばかりで、分からない。ギィイッガシャン!
「!」
沙絵は手術室からでてきた。
「手術は無事にすみました」
俺は少し安堵を覚えた。
「後は本人の体力次第です」
瞬間!俺は心の中で歓喜を叫んだ!
しかし、俺は大切な物を、失ってしまう事に気付かなかった。




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