「わわっ、行っちゃったよ?」私はレイを見た。レイは既に本をしまっており、考えるポーズをとっていた。「チッ…面倒だナ」とか言いながら、歩き出した。私も慌ててついて行く。「なんとかして一カ所に集めにゃならん」まるで独り言のようだ。「ああするとああなるから…」論理だてて考えている。私にはチンプンカンプンだ。私は無言で歩く。レイの話についていけないからだ。突然、ピタリと止まってレイが言った。「あれを使うか」「あれ?」ていうか、結局どうなったの?私何もしなくていいの?ねぇ!ねぇってば!レイがあっさりと答える。「磁力を使う」磁力?ど、どうやって?レイが顎で前を指差す。前には、逃げ遅れたのか、一匹ポツンとティクモがいた。レイはニヤリと笑い、勢いよく本を開く。「サンダー・コイル」電気に関係ありそうな呪文だ。光球が現れ、ティクモを包む。すると、光球がしぼんでいく代わりに、ティクモが光出した…。