1話『突然の出会い。』
夢だと思っていた。夢に決まっている。
現実的にありえないこと…夢だ…
これは夢…だと思っていた私に思いもよらない出来事が起きた。
私の名前は森下いずみ、31歳。結婚3年目。
この頃、恋をしたいと思う…
そんなの簡単に出来ないし、出来るわけがないと思っている。
恋の相手は芸能人。ならなおさら雲の上の人。
彼となら一夜限りでもかまわない…なんて考えてみたり。
テレビの前で浮かれてみたり、色々妄想しちゃう。
主婦の勝手な想像だけど。
でもね、きっと恋をしたいと思っている主婦は沢山いると思うんです。
旦那だけが男じゃないわよね。
まだまだ恋をしたい年頃なんです。
私の恋の相手はEXILEのあつし。凄い人気に歌唱力抜群の彼。
外見はごっついけど中身は優しい気がする。
それは、彼の詞と唄い方が物語っている…なんてね。
実際は違ったりしてね。
私のタイプはSな人。男っぽい色気やしぐさ、雰囲気のある人。
あつしがそうとは限らないけど。
自分の理想であって欲しいと思うのはみんな同じよね?
もう独り言なんて言いたい放題だわ。
そんなある日…、私は池袋へ久々に独りでやってきた。
相変わらずざわめく街。あまり好きな街ではないけど、地元に等しい街だから慣れ親しんでしまった。
買い物は終わったけど、少し時間があるからバーで一杯やってから帰ろうっと。
カラン…いらっしゃいませ…私はオシャレなカウンター席へ座る。
お客はまだ少ない。
レミーをロックで…。
薄暗がりでお酒片手に…なんだか落ち着く。
独りでバーへ来るようになるなんて大人になったんだなぁ。
私もう31歳なんだ。まだまだ若いつもりでいるけど(笑)。
ほろ酔いでそろそろ帰ろうとしていたら、店員さんが話しかけてきた。
『お客様、EXILEご存知ですか?』
『もちろん!どうして?』
『ついさっきまでこのお店にメンバーの一人がいたらしくて…』
『えーっ!誰だろう?』
続く…。 No,1-End