死体処理少女

黄粉  2008-05-22投稿
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「・・・・。」

田口裕也は、血の海と化した廊下で、一人立ち尽くしていた。

コレ、どうしよう・・・。

コツ、コツ、コツ、

向こうの廊下から生徒が歩いて来た。

「あ、おい!、ちょっとそこの人、来て!」

裕也の事にきずくと、生徒は走って向かって来た。

「どうしたんですか?」

肩までの髪をゆらしながら走って来た。その生徒は、後輩の橋本麻里奈だった。

こいつは、家庭内で暴力にあっていて、自殺しようとしたという。この高校では有名だ。

「橋本、斉藤が自分で首を切って・・・。それで渡邉は階段から落ちて・・・。」

しかし、橋本は死体を見ても、表情一つ変えず平気な様子で、脈をはかっている。

「先輩、二人とも死んでますよ?」

きっぱりとそう判断され、裕也は腹が立った。しかし、不安の方が大きかった。

「死体、どうすれば・・・。」

橋本は、裕也の困った顔を見てから、下を向いた。

「じゃあ、私が処理しましょう。」

「な、処理・・・?」

高校生が言い出すとは思えない言葉だった。

「・・・本気か?」

橋本は無言で頷く、そして続けた。

「先輩、これが自分の罪になると思って怖いんですよね?」

図星、悔しい。まさか橋本、俺の心が読めているのか?恐ろしい。

「どうします?」

裕也は決心した。

「頼む・・・。」

それを聞くと、橋本は立ち上がり、

「じゃあ死体を運びましょうか。」

と、言った。

もう、裕也の心からは、「罪悪感」というモノは消えていた。

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