「分かってますよ」
「同じく」
二人はにこりと笑って、頷いた。
「ふむ。心配は無用のようじゃな。おっと、そうじゃ…」
ロバートはぽんと手を叩いて、奥の部屋に入って行った。
暫くして、ロバートは二つの剣を持って戻って来た。「リリー様とルイス君は武器を持っておるまい。不用心じゃて、持って行くがよいぞ」
ルイスは剣を受け取りながら、
「ありがとうございます!…ロバートさんは…剣士だったんですか?」
と、怪訝そうな表情で尋ねた。
「…まあ、そうじゃな。と言っても、昔の話じゃよ。それより三人共、準備はよいかな?」
ロバートは一瞬、複雑な表情を浮かべたが、すぐにいつもの陰気な表情に戻って、呼びかけた。
「はい、大丈夫です!」
「うむ、それなら行くがよい!決して無理はするで無いぞ!」
三人は外に出て、木の間から漏れる太陽の光を眩しそうに見つめた。
「あ、それとな」
外まで見送りに出たロバートは、何かを思い出したかのように、三人の後ろから話し掛けた。
「先程の黒い者達の話、あれは作り話じゃから、安心してよいぞ」
「え!?そうだったんですか!?」
ロイ達は驚いて振り返った。
「お主を試す為の作り話じゃったんじゃよ。すまぬ」