死体処理少女・二

黄粉  2008-05-23投稿
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橋本と裕也は、死体を運ぶことにした。

「じゃあ、運びますか。」

誰もいない校舎から出て、人気のない道をしばらく歩くと、汚いアパートがあった。その部屋には、「橋本」と、いう札があった。

「まさか橋本、一人ですんでるのか?」

裕也は斉藤愛菜の死体をおろしながら言った。

「・・・両親は、行方不明なんです。」

それにしては、あまり悲しそうではなかった。

「入っていいか?」

ドアを開けると、きれいに整頓された部屋があった。

「どこに死体を?」

橋本は渡邉七海の死体を玄関におき、

「庭に埋めます。」

と、言った。

「埋めるって・・・」

無表情な橋本はアパートの裏庭に出て、穴を掘り始めた。

「警察犬とかに匂いで見つかるかもしれねーぞ?」

確かに。万一の場合を考えれば、そうかもしれない。

「ここらは風が強いし、排気ガスの排出も多いから見つかる可能性は低いはずですけど・・・」

橋本は黙々と穴を掘ってゆく。

「なんで風の強さが関係するんだ?」

裕也は、いきなり訳の分からないことを言い出す橋本を不思議に思った。

「風が強いと匂いが他の匂いと混じるんです。だからたまに警察犬でも探知出来ない時があるんです。」

なるほど。それにしても、なんでそんなに詳しいんだ?

「橋本、何でそんなことまで?」

橋本は黙って顔を上げた。

「私、人を殺した事があるんです。」








夏の夕方、人気のないアパートで、かすかに何かが狂い始めていた。







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