商店街の人たちは騒ぎを聞きつけて集まってきた。「こらー!」と怒る大人もいれば、真剣に耳を傾けてくれている人もいた。
「私達・・・・・居場所がほしいんですっ・・・・。」
私が言う前に後ろでかすれそうなくらいの声で香音ちゃんが叫んだ。
「私・・・・・私立を中退しました。いじめられて・・・・・罪、押し付けられて・・・・。それ
で・・・・私立から出てきました。親からもう見下されて・・・・。行くところもないなって
思ったら喫茶10を見つけたんです。」
「俺も・・・・です。」
「関本・・・・・君?」
「俺も・・・・・不良の家で育って・・・・・誰からも見られなくて・・・・・・でも、喫茶10
は違った。管理人の関東さんだけは僕たちをちゃんと見てくれた。」
関本君は息が切れていた。そして―――――――――・・・・・その後ろからは喫茶10に住んでいる皆と関東さんがいた。
「あれは何なの!?」
「どうなってるんだ!」
住民から批判の声もあった。けど、そんなのかまわない。私達の事を知って。そして、喫茶10の事を・・・・・。
「私達、悩んでます。いじめとか、家庭の事情とか・・・・・・。自分がどう思われてるとかも気
になって・・・・・。だから、皆さん!わかってください。私達の事。どうか、今日の事で何か
考えてほしいんです。」
この思い―――――――――・・・・・・届いて・・・・・・。