夜更けにうとうとまどろんでいる、と窓の外から何かが聞こえた。
にぁあぁ〜ん
どうやら窓の外に猫がいるみたいだ。猫も恋の季節とみえて、何だか沢山いるようだ。
にぁあぁ〜ん、にぁあ〜ん、にぁあぁ〜ん
何時まで経っても泣き止まない上に、何だかどんどん増えてきたような気がする。
ふにゃあぁあー
んぎゃあああー
聞いてるうちに違和感を感じ始めた。泣いた後、一瞬息を飲むのだ。まるで人間の子供みたい…。
にぁあぁ〜ん、ふにぁあぁ〜ん、んにぁあぁ〜ん
にぁあぁ〜ん
思ったとたん、その群れる赤ん坊の山がイメージとして、ありありと目に浮かんだ。
にぁあぁ〜ん
開けてみてみたい衝動にかられる。怖い物見たさが、恐怖に勝ってしまった。
細く音を立てないよう窓を開けた。
にぁあぁああ〜ん
ちょうど目の前に崩れたような女の目があった。そして女は一泣き
ふにぁあぁあ〜あん
と声も高らかに一泣きし、私は石の様に固まって女を見つめていた。