その日の夜、
あの夕方の出来事を繰り返し思い出していた。
『殺さないと俺はどうなる?』
悪魔は笑って言う。
『死にはせん。だが、お前も他の糧になるだろう。』
悪魔はその後は何も言わず、暗闇に紛れ消えていた。
たかしは、悪魔が壊した壁がある部屋で寝ていた。
警察や周辺住民が騒いでも良いはず。
しかし人が集まる気配すらなく、ここで寝る他無かったのである。
明かりが顔を照らす。
顔を洗い、歯をみがく。食パンにパッとジャムを塗りくわえながら教科書をbagに詰め込む。
『今日は原付で行くか』
エンジンをかけ勢いよく出発した。その時、たかしは背中が冷えるのを覚えた。
『なんだこれは!?』
『車が一台もいない』
信号機の制御機能はストップしておらず、何も無い、音もしない歩道と国道が見渡す限り続いていた。
『兎に角学校にいくしかない』
駐輪場には、数日置いているバイク以外スカスカだった。
普段の教室に行くと、血の海だった。ところどころ人の部分が落ちている。一人の男が立っていた。高くないが体は出来ており体育会系というのがみて分かる。『これはど…』
たかしが聞こうとすると
『残念だったな.ここは全て殺った』