ある樹木の一生

籬 規那  2008-05-24投稿
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いつの間にか

すこしずつ

突然 壊れた

時間


遠のいていく

君へ



何かつらい日

照らされた 太陽

君に憧れを抱くのは


そう きっと 必然だった




傷つきたくなくて

痛いのがいやで

計って

試して

手に残ったものは何だったんだろう



去りゆく君に

心の右側が


見てください、私を、分かって  と


花を咲かせる




心の左側が

痛いから触れないで  と


空のままの両手を抱えて





ため息ついて

さよなら告げる

ねぇ ほんとは 言いたかったんだ


ありがとう




時間を戻して

返して

そう思った日があった


進まずに

戻らずに

君と ずっと 踊っていよう  と







だけれど

その樹は気がついた


小鳥たちや雨たちが

ちょん

ふれて 微笑む




まだ見ぬ芽生え

生命は廻る






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