「ここはフィルタロト国。わかりませんよね?」
「・・・フィ、フィル・・・?」
真白はポカンとした。
(フィ、フィルタルト?やっぱり外国だったんだぁ・・・でもそんな名前の国あったっけ?地理詳しくないからわかんないケド・・・)
「・・・わからないのが当然なのです。ここはあなたがいたところとは全くの別世界なのですから」
「別、世界・・・?」
真白は目を見開き言った。少女は悲しげな表情で頷いた。
(別世界・・・?ここは異世界っていう事だよねぇ・・・本当に・・・)
真白はうつむいた。
「驚くのは無理もないですし、あまり悲しまないで・・・」
少女が優しく真白に言った。そして真白の背に触れようとすると、急に真白が勢いよく顔を上げた。
「すごい・・・すごいよ!私、異世界来ちゃったよ!」
真白はそう言うと立ち上がった。
「夢にまで見た異世界トリップ!あぁー、これを夢が叶ったって言うのかな?!」
手を胸の辺りで組み、顔を満面の笑みで輝かせて、真白は嬉しそうに言った。
そんな真白を少女は驚いた顔で見つめていた。
「フィリタルトっていう名前からして異世界っぽいよねぇ!タハー、テンション上がるー!!」
「・・・フィルタロトです。」
少女が小声で訂正した。