死体処理少女・三

黄粉  2008-05-25投稿
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「私、人を殺した事があるんです。」

最初、裕也は意味が分からなかった。

殺した?誰を?

目の前にいる、ごく普通の高校生。

彼女は殺人行為をはたらいたことのある人間だった。

「嘘だろ・・・?」

しかし、橋本は無表情で裕也を見返すだけだった。

「早く埋めないと見つかりますよ?」

その言葉を聞いて、裕也は我にかえった。

「・・・うん。」

ただ二人は、黙々と、暗くなるまで穴を掘り続け、遂に人二人が入れるくらいの穴ができた。

「じゃあ、埋めますか。」

無事終わって良かった・・・。だが、複雑な気持ちだった。

何故このアパートには人が出入りしないんだ?

しかも学校から橋本の自宅まで人に一度も会っていない・・・

おかしい・・・。

「先輩?」

死体を穴に詰め込みながら橋本は話し掛けた。

「あ、ごめんな。」

裕也は再び作業に戻った。








―――ようやく、作業が終了した。

「気をつけて帰って下さいね。」

「じゃあな。」

アパートの前で、二人は別れた。

橋本には、何か不思議な雰囲気がただよっていた。

殺人行為をはたらいた人間だというのに、全く狂気というものが感じられなかったのだ。

「橋本、おまえさぁ・・・・」

振り向いたが、橋本はいなかった。

家に入ったのかな?

まあいいさ。

死体のことは忘れよう・・・・。



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