夕方、学校が終わり、裕也はさっそく橋本の家に向かった。
きっと橋本が女子生徒達を殺したんだ・・・。
苛立つ気持ちを引きずりながら、裕也はやっと橋本のアパートの前に来た。
ピンポーン
インターホンを押した。
「・・・・・」
しかし、返事がない。
「橋本?」
とりあえず扉をあけてみた。
「誰ですか?」
そこには、橋本がいた。普段着だと、さすがに雰囲気がちがった。
「あ、先輩ですか。こんにちは。」
素っ気なく答えると、橋本は裕也を部屋に入れた。
「それで、何か用ですか?」
無表情でかつて人殺しの犯人が言った。
「橋本に聞きたい事があってさ。いきなりだけど昨日、俺とあうまえに理科室に入ったか?」
裕也は、震える声で言った。
しかし、橋本は、
「いってませんよ?それ、今日の理科室の撲殺死体の事の話ですよね?」
裕也はいきなり恐ろしくなった。
「なんで知ってる?」
橋本は何も答えない。
橋本は今日は学校を休んでいたはず・・・なのに何故、知っているんだ?
「誰かに聞いたのか?」
きっとそうだ。
そうであってくれ。
「違いますよ。私、見ましたから。あの時、第二理科室の掃除してて、たまたまみたんです。殺人現場を。」
橋本はそういって、笑った。
橋本の笑顔をみたのは初めてだったが、恐ろしかった。
「いい加減にしろよ!!だいたいお前なに者なんだよ!」
裕也は、橋本の正体をつきとめるためにした。
人形のような無表情な人間。
奴はいったい何者なのか・・・・・・