どこかで聞いたことのある気障な台詞でも その場しのぎの思いやりでも それは時に優しく柔らかく生傷を癒してくれるものだ まだ湿った瘡蓋が その行く末を他人行儀で冷たく看取るように 今となっては 僕は君の体にすっかり融和してしまって もうなにものも引き剥がしはしない 乾いた傷跡は 勲章のように誇らしげに 万物に精通しているように何もかもを悟ってしまったみたいに 今も鼓動を刻んでいた
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