人込みの間をすりぬけながらユータは街をあるく。
様々な店が軒を連ね、人々で賑わっていた。
ユータは腰に手をあてる。前まで使っていた両刃の剣は、力に耐え切れず使い物にならなくなっていた。
「なんか武器と服を買わなきゃ…」服はずたずたになってしまったために、宿の主人から借りていたのだ。「まずは…防具だな」
近くにあった店に入った。店内は様々な盾や防具でいっぱいだった。
安くて動き易い冒険者用の服と、黒いオーバーコートのような、ボタンの付いていない服まで店員に勧められ、断れずに買ってしまった。
「たしかに暑さも防げて、寒さも大丈夫だけど…ちょっと高かったなぁ…」
ミホシにダメ元でお金を貸してもらおうと思ったが、案の定…「いいよぉ??利子を付けて五倍返し＋三年ただ働きなら…」
「はぁ…」思いだすだけでため息がでる。
苦笑いしながら、とりあえず武器屋を捜す。
店先のガラス越しに見える武器はどれもこれもユータには手がだせない値段だ。いろいろな店を回るうちに、辺りは暗くなり始めた。「はぁ…見つかんないよね…安い剣じゃ、力に耐えらんないし…」落ち込むユータの目線の先に、一つの野外露店があった。
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