第一章 引っ越し
一
バタンッ
車のドアが閉まる音がした。
私 飯村早紀(イイムラ サキ)は2階の自分の部屋から下を見下ろす。
引っ越しのようだ。
「早紀ーご挨拶に行ってきなさーいっ」
下から母の声が聞こえた。
「はぁーい」
ちぇ 面倒だな と思いつつ、階段を下り、玄関を開け、隣へ向かった。
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ピンポーン
「はーい?」
低い声が聞こえた
「あの 隣の者なんですが差し入れ持ってきました」
ドアが開いた。
「ありがとう 君 名前は?」
家から出てきた人は 男だった。かっこよくて 背が高くて 優しくて・・・
「・・・早紀・・・デス・・・」
「早紀ちゃんか。俺 学校わかんないから 明日学校までの道教えてな」
早紀は黙って頷いた
同じ学校なんだぁ
少し明日が楽しみだった
この男の本性を知る事になるとも知らずに−・・・