あなたは一時でも大切だと思った人に裏切られたら涙を流す?
私は過去に負った傷が治るまで人を愛せないと思う。
今はそれでいいと思ってるから。
「ねぇ、ちょっと〜ゴミは学校に来ないでよ〜」
「え〜、彩花の好きな人をたぶらかしたんだからゴミ以下ぢゃない?笑」
―――やめてよ、私が何をしたと言うの!?
「ぢゃぁこいつはゴミ箱でい〜ぢゃん」
「あ〜あたし生ゴミ持ってるよ〜」
―――…えっ
<ばさっ>
少女の髪の毛から垂れ落ちる異臭は次第に床に落ちる。少女はその場を逃げる様に、駆け足で教室のドアを開けた。ドアの先で立っていたのはハサミを持った、少女の元、親友だった。
ハサミを持った少女は逃げようとする少女の髪の毛を掴みとり、周りが悲鳴を上げた頃にはハサミを降り下ろしていた。
「…ハァハァ…嫌な夢…」
少女は、額の汗を手の甲で拭いながら肩で息をする。
少女の名は岩野 瑞季。
2年前、イジメにあい中学を登校拒否。今は、東京にある叔父が理事長をやっている私立海洋学園に通っている。
「どうして2年前の夢なんて…」
瑞季は制服に着替えながら夢の事を思い出していた。