シンデレラ

そぼろ飯  2008-05-26投稿
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ご飯食べて、寝て遊んでまた寝てご飯
平凡な私の日常
このさき変わりそうもない
別に構わない
平和で気だるいこの人生が気に入ってなくもない
このまま普通に誰かと結婚して、お母さんになって、姑イビリが趣味のイヤな年寄りになって…
そんな未来が私をまっている
つまらないかもしれないがそんなそこそこの幸せが私には丁度いい

よくもまあそんな運命を狂わせてくれたもんだ
世の中には絶対に交わっちゃいけないもんがある
それをやすやすとお前様は越えていきやがった
「なんだ、なにか言いたいことがあるのか」
私の視線に気付いたのだろう。彼はこちらを振り返った。なんでもない、と私は答えた。本当は言いたい
私はあんたの側にいれる人間じゃない、と。
私も私だ。なんで好きになってしまったのか。ものの分別はわきまえてると自負していたのに。あんたはあまりに完璧で魅力的な男でありすぎる。
完璧なあんたと平凡な私
釣り合わないに決まっている
なのに私達はどういった訳か結婚している。何故だろうか。
どうしてあんたは腐るほどいる人間からよりによって私なんかを選んでしまったんだろう。本当に謎だ。
気の迷い?それでも不可解すぎる…
シンデレラってこんな感じなのかな
いいや、違う。彼女には絶対的な美しさがあった。私はたまたま硝子の靴のサイズがあっただけの町娘だ。
「カナ?なんでそんな顔をしているんだ」
今度は私が顔をのぞきこまれていた。
「顔?」
私はどんな顔をしてるんだろう。
「眉間に皺がよってる」
「えっ」
「……大丈夫か。元気ないな」
真摯な視線に射抜かれる。
「元気だよ」
「嘘をつけ。涙がたまってる。」
本当に彼の言う通りか確かめる前に抱き寄せられた。ひどく暖かく安心する。
「辛いなら俺に言え。可能な限り原因を排除してやる」
あんたといれるならもう平凡な人生なんて要らない。でも、あんたは違うでしょ?私のために平凡な人生を歩んで言ってはくれないだろうね。
王子様、私はシンデレラなんかじゃありません。貴方の愛を失うのが怖い愚かな町娘です。私をシンデレラだと思い込ませて本物の影に怯えているただの小娘。
でも王子様、本物のシンデレラが現れるまでは貴方の優しさに寄りかっていたいのです。
あんたの一妻でありたいんだよ。例えシンデレラと間違われているだけでも

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