「あなたたち・・・・苦しかったんだねぇ。」
不意に声がした。老人だ。おばあさんと思われる人が前に出てきた。
「その気持ち・・・・わかるよ。わしら戦争うけたもんじゃ。だから、いじめとやらもそれに似て
いるんじゃろねぇ。今までよう、死なんとがんばってきた。これからも、その意気でがんばって
なぁ。」
「ありがとう・・・おばあさん。」
泣きながらお礼を言った。私達の気持ちをわかってくれた。分かってくれる人がいた。
「確かに。私達もいじめのことについて、考えないといけないかもしれないわ。」
「そうねぇ。こんなにたくさんの子が困ってるのなら何か対策を考えないと。」
「自治の方で、考えてもらおうかしらねぇ。」
「そうだなぁ。これだけ言われちゃ、こっちも黙ってられないなぁ。」
商店街の人たちは、ザワザワと相談しだした。そして―――――――――・・・・。
「よし、わかった。その喫茶10とやらは絶対に潰させない。なんせ、居場所を求める子たちがこ
んなにたくさんいるんだからな。」
自治会長さんと思われる人が代表となって発表してくれた。
「ありがとう・・・・・ございます。」
「それでは、この両親は負け・・・という事になりますかね。」
関東さんだった。たぶん、その後ろにいるのは喫茶10を潰そうとした家族。詳しくは、両親。
「お前ら!どうしてそう、勝手に決めるんだ!」
自治会長さんの声でそーだ!そーだ!という批判の声が相次いだ。
「まぁ、今回はありがとうございます。喫茶10にも来て下さいね。」
「ああ。こっちも、ちょっとは考えさせられましたよ。」
そうして、喫茶10が潰れそうという事件は幕を閉じた。