『あんたの事なんか考えた事もなかったわ!』
愛子が小学2年生の時、
家出から帰ってきた母に
言われた言葉。
愛子には、4つ上の兄慶がいる。
家出から帰ってきた母は、
慶を抱き締める。
「寂しい思いさせてごめんね。ごめんね。」と。
愛子は見てるしかなかった。
どうしたら、私も抱き締めてもらえるか、愛子にはまだわからなかった。
今から3ヶ月前…。
学校から帰ってきた愛子は、
家の前に母の自転車を見つけ
共働きで昼間いつもいない母が帰ってきてる!
嬉しくて家に入ってみると誰もいなく、
1通の手紙を見つけた。
愛子にはよくわからなかった。
ただ、母がいなくなった。
それだけしかわからなかった。
訳がわからず、近所の母と仲のいいおばちゃんに
その手紙を見せた。
すぐに父が帰ってきた。
愛子にはよくわからなかった。
ただ、母に何か事情があったとしか。