愛のかたち最終章

木下 悠  2008-05-27投稿
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愛子34歳、慶38歳になった。家出をした母と年齢が近付いて少し、あの時の母の気持ちがわかるようになった。

母も病気をしたりで、だいぶ弱ってきた。あんなにやんちゃだった慶も、週に1度は実家に顔をだす。

愛子は心に受けた傷が重く色々なストレスもあり、心療内科に通うようになった。

今、愛子と母と父はわりといい関係になった。愛子は母をみるといとおしいと思うようになった。父をみるといとおしいと思うようになった。

子供の頃抱きついた母の背中が、いつの間にか丸くなり小さくなっている。見てると涙がでてきた。何自分ひとりで生きてるつもりだったんだろう。

今年の母の日、愛子はずっと言えなかった言葉をメッセージカードに綴ってみた。

『ママ大好き』

返事が返ってきた。
『ママも、愛ちゃんの事大好きやで。』
嬉しくて涙が止まらなかった。あの時言われた言葉は軽い気持ちだったかもしれない。愛子はいろんな愛のかたちを見過ごしていたのかもしれない。

愛子は思った。
もうどんな愛も見過ごさないと。


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